世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBA。
その中でも最高位の選手は誰なのか…。
ジョーダン?レブロン?ジャバー?
「GOAT論争」なんてものがあるとおり、「最強は誰か!」と考えることは、いつの時代もファンの性だとも言えるでしょう。
時代背景やルールの違いなどをとっぱらった「NBA史上最強(≒GOAT論争)」は夢があって嫌いではないですが、私個人としては「現役最強」のほうにこそ、大変興味があります。
土俵が揃った比較ですし、何より、いままさにプレイを見ることのできる選手たちだけの格付けには、「思い出補正」という乱数が入りづらいからです。
そこで今回は、あくまでも2022-23シーズン終了時点の現役最強選手の上位5人見ていきたいと思います!
各選手ごとに総評もまとめていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
なお本記事はランキング形式にしていますが、順位は主に下記の情報ソースを踏まえ、当ブログ管理人がまとめたものです。特定のメディア・ソースを代弁する趣旨のものではありません。
■主な参照元
・The Ringer『THE TOP 125PLAYERS IN THE NBA』
・SORTSNAUT『50 Best NBA players of 2023』
・CBS『NBA’s top 50 players in 2022-23 season』
※参照元別の参照優先順位については、評価時期が最新のものを最優先としました
※The Ringerについては、データの漏れや誤記がいくつかあった点から、いつ時点の評価なのかがあやふやだと感じられたため、参照優先順位は低位としました(例えば、最終更新日が6月14日にもかかわずジョエル・エンビードのMVP受賞歴が0回のまま)
1位:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)
もはやこれを疑う人はいません。
参照した全てのメディアが、彼を1位に置きました。
MVPを2度獲得し、オールスターには5回出場。念願の初優勝も果たし、名実ともにレジェンダリープレイヤーになりました。
ヨキッチの唯一無二な点は、強烈なエンハンサーであることです。
ナゲッツのオフェンスは基本的にヨキッチを介すことで、オフェンスの結果が飛躍的に向上します。
The Ringerの総評によると、ヨキッチがコートにいる時間帯は、チームメイトのオフェンス効率が少なくとも15%向上するそう。
背景には、ヨキッチならではの極めて優れた洞察力があります。
コートに立ってあたりを見渡すだけで、相手チームの守備のメカニズムやその欠陥を見抜き、適切なタイミングでチームメイトにボールを供給することができるのです。
2位 ヤニス・アンテトクンポ(バックス)
若干、参照元の票は分かれました。
SportsnautとCBSはヤニスを2位にしましたが、Ringerはヤニスを3位だと言っています。
ビデオゲーム(2k)の最新作のレートも参考にしながら、当ブログはヤニスを2位とします。
2022-23シーズンは平均31.1得点、11.8リバウンド、5.7アシストを記録したヤニス。圧倒的なオフェンス能力に加え、守備でも存在感を見せます。
MVPとファイナルMVPに加え、5度の最優秀守備選手賞受賞を誇り、直近シーズンでも同賞の投票で第6位でした。
ヨキッチとの差は、チームリーダーとしての格です。
ヤニスはヨキッチほど、チームメイトを生かすタイプではありません。
ヨキッチがナゲッツの潤滑油なら、さしずめヤニスはバックスのエンジンです。
機関部品ですが、それだけで組織全体の性能を押し上げるには限界があります。
とはいえ、ヤニスはまだ28歳で、向上の余地を残しています。
現在はペネトレイトして守備を引きつけてからアシストするというプレーが多いヤニスですが、もっとジャンプシュートが上手くなり、3ポイントラインの向こうからシュートする機会が増えれば、スペースを作りやすくなるはずです。
3位 ジョエル・エンビード(シクサーズ)
参照元以外にも多くのメディアを見ましたが、順位の平均をとっても決定的なランクにはならかったので、参照した順位すべてを足して、より低いほうを3位にしました。
それがジョエルです。
2014年に3位指名でシクサーズ入りしたジョエルは今年、シクサーズの選手では2001年のアレン・アイバーソン以来となるMVPを受賞しました。
リーグ入りして最初の2シーズンは怪我に苦しみましたが、いまでは正真正銘のフランチャイズプレイヤーです。
ここ数シーズンは特にアウトサイドシュートのシュートセレクションが向上しており、特にMVPシーズンでは、より効果的なミドルレンジジャンパーの選択が増えました。
チームメイトにスペースを提供する機会を与え、シクサーズのオフェンスをより効果的にしています。
Sportsnautによれば、ジョエルはMVPシーズンとなる2022-23シーズンに平均33.1得点とリーグ最高を記録し、出場試合数のうち20%以上は40点以上、65%以上は30点以上を取っています。
ジョエルは史上11人目となる、2シーズン連続で得点王を獲得した選手でもあります。
平均1.7ブロックを記録するほど優秀なディフェンダーで、その長い腕を使って、自分より素早いバックコートの選手を守備することもありました。
4位 ルカ・ドンチッチ(マーヴェリックス)
最後はジョエルに抜かされたものの、平均得点で最後までデッドヒートを見せたルカは平均32.4得点でした。
得点力だけでいえば間違い無くリーグトップクラス。キャリア5年にしてすでに50得点以上の試合を4試合記録しています。
リーグ入りした最初の2〜3年はシェイプアップに苦戦し、ウェイトオーバーでシーズン入りすることも多かったルカですが、2022-23シーズンは開幕から大爆発でした。
特に2022年12月27日には、ニックス相手に60得点、21リバウンド、10アシストという、耳を疑うような成績を記録して、世界中を驚かせました。
身長201cmとポイントガードにしては大柄なルカは、味方のスクリーンを活用し、好きなときにミスマッチを作ることができます。
弱点を挙げるなら、フリースローゲームに弱いことです。
1試合におけるフィールドゴールの平均試投数は昨シーズンから0.4本の増加だった一方、フロースローの平均試投数は3本も増加しています(7.5本→10.5本)。
にもかかわらず、2022-23シーズンの平均フリースロー成功率は74.2%でした。
これはリーグ平均の78.2%を下回る数値です。
とはいえ、ルカはまだ24歳。彼の全盛期はまだまだこれからです。
5位 ステフィン・カリー(ウォーリアーズ)
言わずと知れたレジェンドですね。
35歳になるステフがいまでもリーグで5位の選手に位置付けられる理由はいくらでもあります。
例えば、彼の代名詞とも言える3ポイントシュートは、キャリア平均で42.3%の成功率を誇ります。
また、3ポイントシュートと2ポイントシュートの違いを考慮したシュート成功率の指標であるeFG %は驚異の61.4 %(2022-23シーズン)。
リーグ平均の54.5 %を大きく上回ります。
フリーになるためのオフボールムーブにも革新性があり、果敢にリムにアタックし、コンタクトしながらシュートを決めるフィジカルの強さも特徴です。
何よりも、「ウォーリアーズ」というレガシーを象徴する選手です。
スティーブ・カー現H Cが就任する前からの生え抜き選手で、ゴールデンステイトを象徴する著名人でもあります。
カーH Cはステフについて、「彼がいるということが、彼のチームメイトの自信になる」と評しています。真のリーダーですね。
懸念すべきは年齢です。
リーグ入り以来、たびたび負傷による欠場に悩まされてきたステフは、2022-23シーズンに56試合の出場にとどまりました。
これから一層、コンディション調整がカギになるでしょう。