NBA選手の知られざる背景や物語を切り口に、もっとNBAを好きになろう!
…と、まぁそんなところがこのブログのコンセプトだったんですけど、最近は全然NBA選手個人の掘り下げができておりませんでした。
しょうがないですよねー!
だってワールドカップあったんだしー!
ということで、今回はきっちり「NBA選手の履歴書」的な記事をやっていきます。
ワールドカップに触発されてBリーグの記事とか、NBA開幕に併せてWOWOWやら楽天やらの新サービスも書いていて楽しいんですけど、やっぱりNBA選手個人の話ができないと…なんか爆発しそうになります。
全部、自分が好きで書いているのにね。
ということで、今回はザック・ラビーンを取り上げます。
私のNBA視聴歴的に、彼がウルブスでキャリアを始めたときから知っていて、とっても好きなタイプだからですね。
別にダンカーがお気に入りってわけじゃなくて。
むしろダンカーなのに、しっかりシカゴでエースやっているあたりが好きなんですよ。
器用で、真面目そうなところというか。
そこで今回は、ザック・ラビーンを掘り下げていきます。
彼がただのダンカーにとどまらず、NBAチームでしっかりエースの役を背負っているのがなぜかという理由を、一緒に見ていきましょう!
●10月30日追記
この記事をアップした翌日、ラビーンが大爆発していました!
ピストンズ戦に先発出場したラビーンは、32本中19本を沈め(59.4%)、51得点を記録しました。
デロザン20点、ブチェビッチ12点と続きましたが、特に攻撃面でベンチメンバーの援護を受けられず、敗退となりました…。
コートでのラビーンの強み
ザック・ラビーンの強みをみていく前に、まずは彼のキャリアを数字で振り返りましょう。
2023-2024シーズンでキャリア10年目を迎えたラビーン。
2014-2015シーズンに1巡目13位でティンバーウルブスに指名されました。
ウルブス3シーズン目には平均出場時間を37分まで伸ばし、ルーキーシーズンは約10点だった平均得点も、この頃には18得点になりました。
ブルズ移籍後はエースとして、シュート試投数も増加。
2018-2019シーズンに初めて平均得点が20得点を超えると(23.7得点)、2020-2021シーズンには1試合平均27.4得点を記録します。
2021-2022シーズンに全盛期を迎えたスモールフォワードのダマー・デロザンが加入したあとも、プレイタイムを奪い合うことなく、シカゴの2枚看板として奮闘しております。
28歳とまだまだ若いながらも、そろそろチャンピオンシップ争いに絡みたいところ。
実はラビーン、キャリアでたった一度しかプレイオフに出たことがなく、ポストシーズンの総試合数は4試合のみなんです(2021-2022シーズン)。
でも大丈夫!
ラビーンはまだ28歳なんです。
ブルズとの5年契約は2026-2027シーズンまでで、最終年はプレイヤーオプションになっています。
仮に最終年までブルズに所属したとしても、ラビーンはまだ31歳。
悲観するには早すぎる年齢です。
むしろ、ラビーンを応援するならここからが最高に楽しいかもしれません!
いろんなキャリアが想像できますし、バスケット選手としてますます磨きがかかっていくタイミングですからね。
そんなラビーンについて、まずはオフェンス面から詳しくみていきましょう!
驚異の身体能力で2年連続ダンク王に
冒頭で「ダンカーにとどまらないダンカー」なところが素敵!とか言ったんですけど、ラビーンを語るうえでダンクに触れないわけにはいかないんですよね!
ラビーンはNBAオールスターサタデーに開催されるダンクコンテストで、なんと2年連続優勝を果たした人物。
中でも2016年のダンクコンテストでは、アーロン・ゴードンとの一騎打ちが歴史に残る名勝負になりましたね。
2度の延長の果てに、ラビーンはフリースローラインからのビハインド・ザ・レッグでダンクを叩き込み、見事連覇を成し遂げたのでした。
この跳躍力こそ、ラビーンの強みです。
2014年のドラフトコンバインで跳躍力を測定した際、ラビーンは垂直跳びで1.05m(41.5インチ)を記録しました。
これでもすごいんですけど、実はラビーン、この時はそこまで全力で飛ばなかったようですね。
ドラフトコンバインでは、ドラフトに向けて跳躍力の他にも走力など様々な測定をしますが、選手の中には全力で測定に望まない人も少なくありません。
実際、ラビーンはその後に垂直跳びで46インチ(約1.17m)という大記録を叩き出しています!
これ、実際どれくらいかっていうと、バスケットのゴールが10フィートで約3mなわけですよ。
ラビーンの身長は1.96mで、これに46インチ(1.17m)を加えると、3.13mですね。
身長は頭上までで測るわけですから、ラビーンの頭頂部は3.13mの位置まで上がってきますよね。
ていうことは目線はリングと同じぐらいか、それよりちょっと上くらいにくるわけですよ。
以下はドラフトコンバインで見せたダンクです。
これでも全力で跳んでいるようにはみえませんが、目線はだいたいリムのあたりにきていますよね。
元動画もシェアしますので、ぜひ一連の動きでご覧ください!
この46インチというのが、本当に選ばれしものの境目で…。
46インチ以上跳ぶ現役選手はラビーンのほかに2人しかいません。
ちなみに現役トップはキーオン・ジョンソン(ブレイザーズ)の48インチ。
マイケル・ジョーダンと同じ記録です。
オフェンスの要として成長途上
健康トラブルは改善
2022-2023シーズン、ラビーンはレギュラーシーズン77試合に出場し、通算で2,768分プレイしました。
これはキャリアハイであり、NBA第3位の数字もであります。
ブルズでの彼の重用度がよく分かりますね。
これは、彼のこれまでの怪我の遍歴からも、かなり前向きな傾向です。
というのも、ラビーンはこれまで何度か膝の負傷に悩まされてきました。
シーズンを通して出場できたのは2015-2016シーズンだけで、2017-2018シーズンは24試合のみの出場にとどまっています。
2022-2023シーズンも開幕8試合のうち4試合を欠場しましたね。
ただし、終わってみればこのシーズンは77試合出場したわけで、NBA3位のプレイ時間を記録しました。
背景には手術の成果があります。
2022年の夏前、ラビーンは膝の関節鏡手術を受け、無事成功しました。
その後の健康状態が懸念されていましたが、ふたを開ければこのような結果になって、大成功だったと言えるでしょう!
シュート効率が成長中
健康状態に加え、シュート効率も伸びているところです。
2022-2023シーズンのラビーンのTS%は60.7%で、これは彼のキャリアで第2位の数字です。
最高は2021-2022シーズンすから、ここ2年で改善が進んでいると言えるでしょう。
True Shooting Percentageのこと。2ポイントシュートや3ポイントシュート、フリースローまで含めた、すべてのシュートを参照するシュート効率度のこと。
シュート効率が向上している要因は、大きく3つあげられます。
①高精度の3ポイント
2022-2023シーズンのラビーンの3ポイント成功率は37.5%とまずまず。
試投数500本以上の選手に限れば、上位の成功率です。
1試合あたりの試投数では2020-2021シーズンには劣るものの、7.1本。
ブルズのチームオフェンスの組み立て方次第にはなりますが、これなら1試合9本前後打ってもまったく問題ないでしょう。
ていうか、そう考えると2020-2021シーズンがすさまじすぎるんですよね…。
1試合平均8.2本3ポイント打って、成功率41.9%ですからね。
②試投数よし成功率よしのFT
フリースローも強みです。
キャリア通算のフリースロー成功率は83 %、平均試投数は4.4本です。
ただし直近2022-2023シーズンの平均試投数は5.5本で、直近6シーズンは平均試投数を下回ったことはありません。
リムにアタックし、フィニッシュまでいけなくともファウルを獲得できればよし。
そんなスラッシャータイプの選択が取れるのも、ラビーンの強みでしょう。
③ペイントでの成功率
ペイントでの成功率の高さも、シュート効率を高めている要因です。
2ポイントシュートの成功率はキャリア平均51.2%ですが、ペイントエリアのシュート成功率は65%あります。
この数字は3シーズン連続なんですよね。
ペネトレイトからのフィニッシュ力も、ラビーンの売りの1つです!
③ターンオーバーは改善が必要
攻撃面でのラビーンの弱点にも触れておきましょうか。
それはターンオーバーです。
2022-2023シーズンのラビーンの1試合平均ターンオーバーは2.5本でした。
これはUSG%が28%前後の選手としては、やや多い部類ですね。
Usage Rateとも。チームの総攻撃回数のうち、当該選手で攻撃が終わった割合のこと。
今後はますますチームの核としてUSG %が高まっていく可能性もありますから、ケアレスなターンオーバーにだけは気をつけてほしいですね。
例えば、クラッチタイムで下のようなプレイはがっくりくるのでね…。
1on1での堅守に自信
ラビーンのディフェンス面をみていきます!
特にボールマンへの守備については、ラビーンが特に自信を持つプレイです。
以前のゲーム後のインタビューでは、こんなふうに胸を張っていました。
「私は以前から、リーグでベストなオンボールディフェンダーの1人だ。1体1の状況で私を抜き去ろうとする選手は、そう多くはいない」
2022-2023シーズンのラビーンのディフェンスレートは114.7でした。
スタッツ表ではDRtgと表記。守備側から考えた失点率のことで、当該選手が100回守備した際に何点失点するかを示す。
2021-2022シーズンでいえば、ブルズ全体のディフェンスレートは111.9でリーグ5位。
ファストブレイクの得点数はリーグ4位なんですよね。
ディフェンスから試合を作るブルズのスタイルの中で、ラビーンは明らかにディフェンシブになっているようです。
NBCがラビーンとブルズの守備の強みを解説していますので、ぜひこちらもご覧ください!
コート外でのラビーンの素顔
ゴルフと野球も見事な腕前
NBAのコート以外でのラビーンの顔を知るうえでは、ゴルフと野球が外せません。
ラビーンの父であるポール・ラビーンは、元々プロのフットボール選手でした。
ポールはラビーンが幼い頃からスポーツに触れさせていて、中でも野球に重きを置いていたようですね。
ラビーンの野球の腕は確かです。
今年に開催されたメジャーリーグのオールスターイベント・セレブリティーソフトボールゲームに登場したラビーンは、この試合でホームランを見せるなど大活躍し、ハイライトにも姿を見せました!
野球以上に、現在でもラビーンが力を入れているのがゴルフです。
NBA公式に掲載されているインタビュー「More Than a Basketball Player(バスケットボール選手以上の何者かに)」では、次のように語っています。
※インタビュータイトル()内は私の意訳です
「思うに、私がこれまで試してきたスポーツのなかで、ゴルフは最もスキルに基づいたスポーツです」
身体能力でどうにもできない世界だからこそ、奥が深く難しいスポーツだというわけですね。
実際、ラビーンは上記のインタビューでこうも語っています。
「野球やバスケットボール、フットボールの上達は難しくなかったんです。私には高い身体能力がありますから。一方のゴルフは、ボールを強く打って遠くに飛ばせるからといって、良い試合をできるとは限らないのです」
ラビーンは現役でありながら、アメリカで最もレベルの高いセレブリティのトーナメント「アメリカンセンチュリーチャンピオンシップ」に参加し、しのぎを削っています。
ちなみにこのトーナメントにはレイ・アレンやチャールズ・バークリーも参加していますね!
バスケのためファッションにこだわるイケメン
コート内に止まらないラビーンの魅力といえば、そのイケメンさ…!
上のランキングでも紹介したとおり、ラビーンは様々なメディアで、ハンサムなセレブリティとして取り上げられています。
そのファッションセンスも、ラビーンをイケメンたらしめている要素ですね。
ファッションに関してはもちろんこだわりがあるようで、アメリカで人気の週刊誌「People」のインタビューでは次のように話しています。
「私にとって何より重要なのは、ファッションとバスケットボールは密接に結びついているということ。古くから、『見た目が良ければプレイも良い』と言うから」
これはどんな仕事でも同じでしょうね。
身なりって本当に大事です。
仕事ができる人は、さりげなくおしゃれだったり、清潔だったりするんですよね。
「『何を身につけているか』じゃない。(それを身につけることで)正しい心持ちになれるか、さらに良い状態に至れるかということなんだ」
ラビーンのシグネチャーモデルはある?
シカゴの若き希望であり、ファッショナブルでイケメンなラビーン。
そんな彼へのリスペクトをいち早くまとうなら、シューズがふさわしいですね。
最後に、ラビーンのバッシュについて紹介しましょう。
ラビーンはこれまでアディダスやナイキなど様々なシューズを履いてきましたが、2022年3月にニューバランスと契約を締結しました!
ニューバランスはラビーンをPRモデルに、新モデル「Fresh Foam BB(フレッシュフォームビービー)」を発売したばかり。
2023-2024シーズン開幕前のメディアデーでは、自身のロゴが入った新色のフレッシュフォームビービーを公開したことでも話題になったばかりです!
また開幕直後のバックス戦でも、ラビーンはフレッシュフォームビービーの新色を着用。
これらがいつ発売されるかはまだ公開前ですが、ファンとしてぜひ手に入れたいですね!
現在はというと、日本から公式サイトにアクセスすると、フレッシュフォームビービーは購入できませんでした…。
楽天市場なら、ラビーンが実際に着用したカラーリングがありましたので、ご紹介しますね!
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まとめ
以上、ラビーンのまとめでした! コート内外で優秀なアスリートであるラビーン。
今年こそ、なんとしてもプレイオフに出て結果を残したいところですよね…。
ブルズにはまだたくさん優秀な若手がいますから、ラビーンはじめ、これからが楽しみなチームです! ここまでお読みいただき、ありがとうございました。